テント内での一酸化炭素事故を防ぐために知っておくべきこと

テント内での一酸化炭素事故を防ぐために知っておくべきこと

薪ストーブをテントの中で焚きながらキャンプを楽しむのは、非日常的な体験です。冬の寒さを感じることなくアウトドアを満喫できるストーブは、寒い時期における素晴らしいツールです。しかし、気を付けなければいけないのが「一酸化炭素中毒」です。

この記事では一酸化炭素の危険性についての認識を深め、テント内での正しい薪ストーブの使用時に守るべき安全な手順をお伝えします。

 

一酸化炭素事故のほとんどはBBQが原因

一酸化炭素による事故の多くは薪ストーブではなくBBQが原因です。BBQは煙やガスを排出する手段がないため、一酸化炭素がテント内にたまりやすく、非常に危険です。イギリスでは毎年約200人が一酸化炭素中毒で入院しており、そのうち約40人が死亡しています。また、Gas Safe Registerによると、5人に1人がテント内にBBQを持ち込むことの危険性を認識していないといいます。

例えば、2012年には両親がテント内にBBQグリルを放置した結果、6歳の子供が命を落とす事故が発生しました。また、2013年には、火事を避けるためにテントの前室部分にBBQグリルを移動させ、一晩中放置した結果、14歳の少女が一酸化炭素中毒で死亡しました。

一酸化炭素の危険性への認識が広まっている一方で、毎年BBQグリルをテント内に持ち込んだ後に発生する悲劇的な事故や、運良く命を救われた事例も報告されています。

「この悲劇はBBQで料理をしている人々への警告となるべきであり、BBQグリルを屋外に放置し、テント内に持ち込むべきではありません」と検死官は警告しています。

 

テント内でのストーブ使用時の注意点

キャンプ中の一酸化炭素による死亡事故の多くは、使い捨て(炭火)やガス式BBQ、ガス暖房器具によるものですが、テント内で薪ストーブを使用する際も安全性を意識することが大切です。

Frontier Plus Stove や Traveller Stove はもちろん、G-Stove、WTS、NORTENTの薪ストーブは全てテント内で使用することを前提に作られています。これらのストーブには長い煙突がついており、煙やガスをテントの外に排出し、高い位置に分散させる設計です。

正しい設置手順を守ることで、リスクを最小限に抑えることができます。

  • テント内の換気は常に良好に保ち、ドアを開けておく
  • 火をつけたまま寝ない
  • 一酸化炭素警報器を設置し、定期的にテストする

一酸化炭素警報器は、薪ストーブから1m離れた頭の高さに設置することが推奨されます。使用する際は、必ずメーカーの指示に従いましょう。

 

一酸化炭素中毒とは

一酸化炭素は、燃料が完全に燃焼していない場合や火がくすぶっている時に発生します。密閉された換気のない場所で燃焼が行われると、酸素が消費され、一酸化炭素が発生します。このガスを吸い込むと、血液中のヘモグロビンと結びつき、酸素が体全体に運ばれなくなります。

  • 一酸化炭素は特に換気が不十分な場所で発生しやすいです。
  • 中毒が進行すると意識が混濁し、最悪の場合は命に係わる状況になります。

 

一酸化炭素中毒の症状

一酸化炭素中毒の初期症状で最も一般的なのは頭痛です。その他にも、めまい、吐き気、疲労感、脱力感、意識障害、胃痛、息切れなどがあります。これらの症状は食中毒やインフルエンザに似ていますが、熱は伴いません。

一酸化炭素中毒が疑われる場合、すぐに医師の診察を受けることが重要です。自身や周囲の人に症状が見られた場合は、すぐに対応しましょう。

 

一酸化中毒かもしれないと思ったら?

もし一酸化炭素中毒の可能性がある場合は、まず中毒者をテント外に移動させ、新鮮な空気を吸わせてください。すぐに医療機関を受診し、状態がひどい場合は救急車を呼びましょう。

 

あなたにできること

一酸化炭素中毒を防ぐ最も効果的な方法は、情報を広めることです。グループキャンプの場合、寝る前にBBQの火を必ず消し、テントから離れた場所に置きましょう。特に子供とキャンプする際は、安全意識を高め、なぜBBQが危険なのかを教えてあげてください。

また、キャンプ場に行く際は、テント内でBBQをすることの危険性について警告を表示するよう求めましょう。このような情報源はインターネット上にたくさんあります。テント内にBBQを持ち込まなくても、一酸化炭素は死に至ることがあるため、完全に火を消した後でも、BBQグリルをテントやオーニング、ポーチ内に移動させないようにしてください。

BBQはテントやオーニング、ポーチから十分に離れた場所で使用するように心がけましょう。

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