シルナイロンと結露。インナーテントの重要性

シルナイロンと結露。インナーテントの重要性

テントの中で暖かく、濡れず、安全だと感じることは、冒険を楽しむ人にとって理想的な状況です。テントが防水であるべきことは、言うまでもありません。

NORTENT(ノルテント)のナイロン生地は両面にシリコンコーティングが施されており、完全防水です。夜中にテントに降り注ぐ雨に耐えられるかどうか心配する必要はありません。少なくとも、3000mmの水圧に耐えることができます。

これは、まるで生地をプールのように広げて形を整えると、プールの深さが3メートルにもなる水を満たすことができるということです。プールの底に私たちの生地が敷かれていると想像すると、多くの水が生地を押しつけている状況です。しかし、どれだけ水圧がかかっても、生地はその水を通すことなく受け止めます。

ただし、「プール」の周囲の環境が冷たく湿っていたり、「プール」の水が非常に冷たい場合、布地の「乾いた」側に水滴が見えることがあります。ここで登場するのが重要な物理的原理、「結露」です。

湿った空気が冷たいテント生地に触れると、空気はその湿度を保持できなくなり、気体の水分が液体の水となり、テント生地の内側に現れます。この現象は、雨の日に車に乗るときのフロントガラスに結露ができるのと同じ原理です。また、ある朝、芝生に水滴がいっぱいに見えることがありますが、これは雨が降っていなくても結露が原因です。結露は、雨の日に特に問題になることが多いです。なぜなら、その空気は多くの水分を含んでいるからです(雨が降る理由の一つでもあります)。

結露を避けるためには、湿った空気をテントの外に排出することが不可欠です。しかし、湿った空気を完全に換気するのは非常に難しいこともあります。特に、気温が低く湿度が高い湿気の多い夜などでは、テントの内側が濡れてしまうことがあります。このような状況では、結露との戦いに負けてしまうこともあるでしょう。

そのため、薪ストーブがなく、雨が多い寒い気候で夜を過ごす場合、インナーテントを強くお勧めします(これはナイロンやポリエステルなどの人工繊維を使ったテントに共通するアドバイスです)。

多くのテントが固定式インナーテントを採用している理由は、まさにこの点です。しかし、インナーテントでテント内の結露を完全に防ぐことはできません。インナーテントは寝床の外側の結露を防ぐだけで、アウター生地の内側は依然として湿ったままです。雨の日にインナーテントがアウター生地と接触すると、その違いを実感するでしょう。

テント内の結露を抑えるためには、換気と暖房が最も効果的な方法です。適切な換気を行うことで、湿った空気が乾いた空気と入れ替わり、テントの外に排出され、テント生地の内側に水滴ができるのを防ぎます。しかし、雨が降ると、空気は湿気で飽和状態になり、湿度が100%に達します。そして、この湿気がテント内にも影響を及ぼします。この空気が冷やされ、テントの薄い壁に触れると、空気はその水分を保持できなくなり、気体から液体に変わります(外で雨が降るときと同じ原理です)。

この現象は、テントの壁に沿って流れ落ちる水滴として確認できます。さらに風が強いと、テントの壁がばたつき、内側にあった水がその影響で外に飛び散ることがあります。これを「ミスト」と呼び、インナーテントなしで冷房の効いたテントに泊まるとよく見られる現象です。

このため、特に雨が降ったり湿度が高かったり涼しかったりする場合、薪ストーブを使わないのであれば、インナーテントを強くお勧めします。特に無風で雨が多い日には、湿った空気を取り除くのが難しく、アウターテントの内側に結露が発生しやすくなります。また、インナーテントを使うことで、シーム処理が必要になるケースも少なくなります。

シリコンベースの生地を使用しているほとんどのテントメーカーがシームシーリングについて触れないのは、インナーテントがアウター生地の内側の水から一定の距離を保っているからです。

それでも、インナーテントを使うかどうかを選択できるテントもあります。シリコンベースのテントは縫い目をテープで防水することができないため、縫い目のシームシーリングをお勧めします。100%防水にするためにはシリコンで潤滑する必要があります。それでも、テント生地の内側にできる水滴のほとんどは結露によるものですので、ストーブを使わないのであれば、インナーテントが乾いた快適なテントを作る最適な解決策となります。

 

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